残り火の欠片


スノーシューで急ぐ帰路、冬の森。
トドマツの茂る原生林をぬけて、眩しいシラカンバの林へ。
ここまで戻れば、、あと一息。立ちどまり汗をぬぐいます。
すると足もとに、セミがいました。

...とは言っても、初夏を賑わす...このエゾハルゼミが
こんな季節に鳴いているわけもなく、それは片翅の亡骸です。
彼らは、知床で観察できる別の種類のコエゾゼミと違い、
木の幹についたまま息絶えている姿を夏や秋にも観察できます。

この時は...風で地面まで飛ばされたのか、
野鳥などに獲られた後にココまで運ばれたのか、、
その後、陽を浴びて温められたセミ(亡骸)の熱で
周囲の雪が融けて...頭から埋まるように傾いていました。

そして、きらきら、きらきら、
雪の粒と共に翅を輝かすのでした。

命。
生きる姿、死する姿、
時にどちらも美しさを放っています。

それは、
儚い季節の残り火であっても、たとえ燃えカスであっても。
きっと。



日々、ありがとうございます。 つよし

風を聴く森*知床のブログ

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