月とカシワ

夕暮れ時、せまる日没に少し急ぎ足になりながら
フレペの滝の展望台から遊歩道を戻っていくと、
空から宙へと変わろうとしている...僕の頭上に月の光。
暗がりに眩しいくらいに輝いているので、
急いでいたはずなのに、しばし眺めていました。

その僕の横では、同じく佇んでいるかのようなカシワの木。
他の広葉樹たちは2週間ほど前には、ほぼ落葉してしまい、
今では...森がトドマツ以外はスッキリとした印象ですが、
このカシワは枯れた葉をつけたまま冬を越えていきます。

これから凍てつく烈風が吹き荒ぶこともある
知床の断崖沿いに広がる草原。フレペの滝も時には。
それを想えば、月とカシワの風景、より感慨深いです。

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