どうぞお気をつけて・・・。

今日は朝から強風と雨でしたが、夕方ごろには落ちつきました。

ウトロは午前10時36分に最大瞬間風速の23.1m/sを記録。

知床五湖の高架木道も一時的に猛烈な風で一部が閉鎖になりました。

そんな状況であったので、風が強い時間帯には野生動物も

森の奥にて休憩していたのかもしれませんね。

そして、夕方になってエゾシカもヒグマも活動を再開?


車で移動をしていると、道路脇に黒い塊と...すぐ横に停車する車。

ヒグマが地面を掘り返して、おそらくアリを食べていました。

今シーズンの初夏は、こうして道路付近に出没するものも多く、

彼らも食料を確保するのに苦労しているように感じられます。

(個体として人への警戒心が薄いことも大きく影響しますが。)


また、これは今年に限ったことではなく

近年に見られることが多くなった光景ですが...

ヒグマのすぐ真横に車を停めて、観察や写真撮影をしている

レンタカー(や一部の地元の車)をよく見かけるようになりました。

また、稀に車から降りて撮影している方もいて驚かされます。


食料を求めて道路脇に出没する「警戒心の薄い」ヒグマ...

その一見穏やかそうに感じられる様子に「油断をする」人間...

車内からだから真横に近づいても大丈夫という「油断をする」人間...

経験のあるカメラマンだから地元の人間だからと「慢心した」人間...

他の人も近づいているのだから自分も良いのだと「安易に思う」人間...

こう並べて書いただけでも、どちらが悪いなんて議論をするわけではなく、

ヒグマよりも、きっと人間の方が改善ができる可能性があるはずです。


ヒグマに限らず野生動物とどう接するべきか、彼らを愛おしく思えるか、

取り締まりをしたり、ルール作りをするだけではなく(それも大事ですが)、

知床を訪れる、知床に住む、その一人一人が少しでも考えるようになれれば

何かが変わるキッカケになると僕は信じています。

やみくもに保護をするわけでなく、単に害獣として駆除するだけでなく、

将来の子供たちが安全に暮らし、かつ自然と接する機会が得られる方法へと。


僕らのような自然ガイドも、サービス精神や環境教育への熱い想いから

この写真のような場面をつくっている事もあるかもしれません。

そんな時は、どうか熱い信念で(匿名のネットでなく)叱って頂けたら幸いです。

いまだ観光ガイドと呼ばれそうな僕らが、本当の自然ガイドとなれるように。