霜月になろうと遡上する。

一年の経過の早さと、四季の移り変わりの妙を感じながら、

気がつけば...11月1日、僕らが朝にカレンダーをめくっても、

それでも昨日と変わらないものは何処かにはあるのかもしれません。

そんな事を考えさせたのは知床の川に遡上をしているサケやマスたち。

川のそばに生えている木々が落葉して、または葉が流されてきて、

川底に敷き詰められたように河口付近では見事に落ち葉が覆っています。

その上を”ゆらめき”ながら浮かんでいる光景は神秘的でもありました。

今年は8月~9月頃に遡上している様子に近年では数が多く感じられた

カラフトマスの遡上に比べると、シロザケはかなり少ないように思います。

遡上は12月になっても観察することはできますが(生きている姿はごく少数)、

こうして産卵する個体の数が少なければ、また何年か後に戻ってくるサケにも

大きく影響することを考えると、美しい光景の一方で複雑な気持ちでした。


変わるものと変わらないもの、昨日と...、昨年と...、10年前と...、

あるいは、遠い未来と今で。それは何でしょう?この知床でも。