あなたなら、どうする?

知床国立公園内の道路を知床五湖に向かって車で移動中、

カーブを曲がると、進行方向と対向車線にも車がとまって渋滞中。

急ブレーキをかけて、ふと見れば、道路脇の林内に一頭のヒグマがいます。

誰もが嬉しそうに車内からカメラを構えて写真撮影をしており、

あなた自身も遠目からカメラをズームしながら写真を数枚撮りました。


それでも、なかなか前の車は移動をしてくれません。

あなたはクラクションでも鳴らそうかと思いましたが、

その行動でヒグマを刺激してしまって興奮させてしまっては良くないと...

とりあえずは思いとどまって様子を見ることにしました。


すると、対向車線の車のドアが開き、なんと人が降りたではないですか。

一眼レフのカメラを構えながらヒグマまで15mの距離まで近づいていきます。

あなたは車の窓を開けて「危ないからやめな!」と言いたかったですが、

それもクラクションと同様にヒグマを刺激してしまわないかと心配です。


さすがに周囲の目に気がついたのか、一眼レフのカメラマンも立ち止まり、

すぐに自分の車に戻っていきました。良かったと一安心の、あなた。

ところが、今度は別の車の窓が開いて、中から小学生くらいの子供が

お母さんから手渡されたビスケットをヒグマに投げ与えようとしています。

それが餌付けに繋がってしまうことを、立ち寄ったビジターセンターで

知っていたあなたは「やめた方が良いですよ!」と言いたいところです。


『さて、あなたなら、どうしますか?』


これは(上記)は実際の出来事ではなく、(写真は今日のものですが)

近年の知床で日常的に起こる可能性があるエピソードです。

野生動物を写真に撮るためにできる渋滞、ヒグマに近づくカメラマン、

何の気なく野生動物に餌付けをすること、最近なら塩鮭の投棄もありました。


同じ北海道といえども巡りあうことは、まずないような場面ですが、

このような場合に自分はどうしたら良いのか考えること、

その為に興味をもって調べたり、知床の各ビジターセンター等で聞くこと、

旅行や観光は多くの方が気軽な気持ちで楽しみたいでしょうが、

少しでも考えて頂く機会がありましたら、本当に嬉しく思います。


〇知床自然センター:http://center.shiretoko.or.jp/

〇羅臼ビジターセンター:http://rausu-vc.jp/

〇知床ヒグマえさやり禁止キャンペーン:http://dc.shiretoko-whc.com/esakin/

〇知床財団/ヒグマ対処法について:http://www.shiretoko.or.jp/library/bear/

〇知床財団/知床の課題:http://www.shiretoko.or.jp/shiretoko/