【Bear Country】

ここは(知床国立公園は)ヒグマの生息地です...という看板の前を熊が行きます。

車で移動をしていると、ゆっくりカーブを曲がるとヒグマの親子がいました。

あちらも急いで茂みに隠れるでもなく、とくに母熊は悠々と歩いていく様子に

こうした状況(車や人間との遭遇)に慣れているのであろうと感じさせます。


近年は、「野生動物への餌付け」は良い事ではないという意識が広まってきて、

以前よりは来訪者のヒグマへの餌付け行為は減ってきたように思いますが、

「野生動物に近づきすぎない(距離を保つ)」という部分はどうでしょうか、

やはり距離は個人の感覚によりますし、生身やバイクか車内での遭遇かもあり、

また、ヒグマを見られて嬉しくなったり、興奮したり、写真を撮りたかったり、

こうした精神状態も突発的な行動に作用してくるので、難しい面もあります。

(そこに集団心理も加わって、道路でのクマ渋滞や降車に繋がるのでしょう。)

『どのように』『どのくらいの』距離を保つか、学ぶ機会があると良いですね。


その一方で、ヒグマも全く同じ行動をするヒグマはいないことを知るべきです。

わかりやすい例は親子熊、子熊に危害が及ぶと判断すれば母熊は守るでしょう、

見るからに興奮状態だったり、食事中のヒグマも危険だとはわかるでしょうか。

わかりにくい例は繁殖期であるが故の行動だったり、年齢も時には関係したり、

そのヒグマが人慣れしているかいないかも、行動には影響しているでしょう。

ここで大切なのは、同じ行動をするヒグマはいない、そう常に意識すること、

観光客も野生動物の研究者も自然ガイドも、行動の全てはわからないのです。

これは遭遇=危険と言っているわけではなく、冷静に判断をしてほしいのです、

例えば車だからとヒグマの真横で停車したり、自らヒグマに接近してみたり、

危険な遭遇のシチュエーションではなかったのに、危険にしないで下さい。


人慣れ(車慣れ)をしたヒグマは一見すると大人しそうな印象を受けるのでしょう、

ただ、アナタは目の前にいるそのヒグマがとる次の行動がわかりますか?

(ある面で熊慣れをしてしまった…僕らにもわからないのに、わからないはず。)

知床の国立公園内の道路へ頻繁に姿を現すヒグマの多くは人慣れをしています、

彼らは「ヒグマとはこういう動物だ」という定説に当てはまらない行動もあり、

(人をあまり避けていないのに、やはり子熊がいると守ろうと急に威嚇をしたり)

遭遇時には特に冷静な思慮と対応が必要です、どうかご注意を下さい。


最後に

ヒグマに出会わないことが最善の対処法です。

出会った場合は、ヒグマに嫌な思いをさせないことが重要です。

むやみに近づかない、驚いて大きな声をださない、怖いからと走って逃げない、

まずは、この3点を憶えておきましょう、たいていはヒグマの方から去ります。




*** 自然ガイド 知床ころぽっくる ***

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