ヒグマの冬眠もぼちぼち...

記事にしておいて今更ながら、ヒグマの生態に関して誤解を与えそうな写真が

「冬眠あけ」の最初の場面になってしまい、彼ら(ヒグマ)にも申し訳ないです。

初めに理解してほしいのが、冬眠あけだから腹が減っていて凶暴だという...

そういった認識は必ずしも当てはまらないと知って頂きたいです。

少なくとも知床の熊は”冬眠あけだから獰猛になる”というデータはないです。


ただ、写真のヒグマは崖から滑落したエゾシカだと思われるものを食べており、

たとえヒグマとはいえ大きなエゾシカを一度には食べきることは難しく、

その死骸の近くに何日間も居座り、自分の食料を守ろうとすることがあり、

”何かを防衛しようとする”その部分では、絶対に近づいてはいけません。

※私自身も断崖部の上からフィールドスコープごしに撮影しています。

食事前に...ごろごろ、ごろごろ、雪の上でお昼寝中でした。

こうした場面は可愛らしかったりもしますね。遠目では。。。

冬季にはエゾシカが雪の浅い断崖部の斜面に下草を食べようと集まります。

人間から見れば際どい場所にもいますが、ほとんどのエゾシカは滑落しません。

ただ、やはり中には不運にも何らかの要因で断崖の下に足を滑らすものもおり、

その死骸はワシやカラスなどの野鳥だけでなく、キタキツネも食料とします。

季節としてはヒグマが冬眠からあけてもおかしくない時期でしたが、

冬眠からあけた彼らの足跡を見つける前に...姿を見ることになるとは。

きっと多くの方は、ヒグマは日常的にエゾシカを捕って暮らしていると

そんなイメージをおもちなのでしょうが、そうそう簡単には捕まらず、

実際にはこうした偶然見つけたエゾシカの死骸を利用することが多いです。

何がキッカケで今日のヒグマが冬眠からあけたのかはわかりませんが、

まだ多くのヒグマの仲間が冬眠をしている状況で見つけた食料に

陽光の温かさにポカポカしながら幸運を噛みしめていたのかもしれないですね。


【動画もありますが、グロテスクなものが苦手な方はご注意下さい。】


まだ遠いはずの春ですが、しだいに足音がするような日々です。



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つよし