ベイビーふぇいす。

森の草木も湧き立つこの季節、6月頃はエゾシカの出産の時期でもあります。

あちこちに散策に行っていますが、観察できる多くのメスジカに混じって

つい最近に生まれたばかりといった印象の仔ジカを見ることも増えました。


生後すぐに立ち上がって、その日のうちにおぼつかない足どりながらも

歩くこともできるようになるのですが、母ジカについてまわるのは大変です。

しばらく(生後10日~2週間ほど)は草むらに隠れて一日に数回の授乳を待ちます。

そうした日々の中で、本当に一日一日と成長していくのだと感じさせるのが、

ほとんど変わらない期間の中で生まれたはずの仔ジカ達の大きさや体格です。

見てるだけで心配になりそうな...あまりにも華奢でヨロヨロと歩いていたのが

生後1週間も経ったと思われる仔ジカは元気いっぱいに駆けたりしています。

それは新緑だった森の緑が深まるように、成長の早さに本当に驚くばかり。


写真(上)の仔ジカは、それこそ生まれて数日といった様子でした。

歩いては立ちどまり、歩いては立ちどまり、その目線の先には母ジカ。

照る朝陽に透ける耳に血管が見えました。目にも真っ直ぐな光が輝きます。

知床の森。耳をすませたところで、彼らの産声を聞くことはできないですが、

きっとエゾハルゼミの大合唱の先に”今”も多くの命が生まれているのでしょう。




***** 自然ガイド 知床ころぽっくる *****

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つよし