流氷 ノ 残響

先月のような海一面を流氷が覆いつくすような冬を代表する圧倒的な景色は、

今年はもうないかもしれないですが、海岸線や岩礁に打ち上がってもいます。

表面に雪をまとっている流氷、純粋に氷らしい様子の流氷、大きさも様々です。

顔を近づけてよく見ると、中に小さな気泡が閉じ込められているもの多くて、

そこには、きっと流氷が出来ていく過程の...その瞬間、その場所の空気など、

氷河などの話しのような悠久と呼べるほどの時間のものではないでしょうが、

ここに”その時”も閉じ込められているのだと想うと、とても感慨深く思えます。


以前に働いていた知床のYHでは『流氷キャンドル』というものを夜になると

宿泊のお客様にお見せする為に作っていました。流氷を拾ってきて穴をあけて、

そこにロウソクをいれて火を灯すと融けた流氷の気泡が弾けて静かに鳴ります、

...パチ...パチ...、パチ...耳を近づけないとわからないくらい小さな音ですが。

そんなごく微かな音にも自然のサイクルを感じれば深くロマンもありますね。

積み重なった流氷が仄かに青く輝いて、ひとつのオブジェのようにありました。

いずれ季節の経過に伴い融けて空に昇っていくでしょうか。微かな音をたてて。

その音の多くを僕らは聞き逃しながら今日も人の世は賑やかに続いていきます。

でも、時に立ちどまり耳を傾けることで儚さの美しさを知るのだと思いました。

最後に、これは僕のごく私的な一言ですが、ありがとう、また60年後に逢おう。



※明日は(もしかしたら明後日も)ブログをお休みします。

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つよし