霧がはれて、海にトド!

今日から8月ですが、霧の濃い海の様子に...一日ツアーのコースを

予定していた午前の森と午後の森を逆にして散策することにしました。

せっかくの月の始まりに出鼻をくじかれた気持ちにもなりましたが、

きっと午後には晴れてくれるはずと思いながら元気に出発です。

しっとりとした午前の森を歩いて、本当に午後は晴れてくれました!

ここは断崖部の風景と滝が目的だったので最高の状況に温かい日差し、

そして、目的地に着いてみれば...なんだか岩の上に見慣れない塊が、、

とりあえずココでの解説をしてから慌てて双眼鏡を覗くと、トドです!


知床の羅臼側では時期によっては観察する機会のある野生動物ですが、

こちらのウトロでは、稀に観光船やシーカヤックの方が見るくらいで、

まさか僕が散策をする断崖の上から見ることが出来るなんて珍しいです。

そんな場所で暑くないのかなと思いますが、のんびり休憩をしているよう、

次々とやって来る観光船やカヤックに「うるさいなぁ、、」と言いたげに

頭をあげる以外は、とくに海に逃げるわけでもなく、長く留まっていました。

僕にとっても貴重な観察でしたし、動物好きなお客様も本当に嬉しそうでした。

こちらは午前中の森にて、流れこんでくる濃い霧に包まれて。

はじめは霧というよりも霧雨が降り続くような状況でしたが、

しだいに天候の回復を感じられる空の明るさが気持ちも上げます。

しっとりと、ふんわりと、小さなシダが茂る森の奥の草原です。

微かに森の奥から聞こえてくる野鳥の声も風情があって素敵でしたね。

知床も真夏の8月。川によっては下旬にはカラフトマスも遡上を始めます。

山や森に降った雨も大地に浸透し川へと命に必要な物質を融かしていき、

それは、やがてオホーツクの海へと流れて広く深くへ運ばれていくのでしょう。

今日のトドもそうした繋がりの先で生きるもののカタチとして、そこに在り、

これから遡上するマスやサケは、今度は海から運び繋げていく役目があります。

ありきたりな言い方ですが、そうした奇跡の中で出会った今日に感謝します。




***** 自然ガイド 知床ころぽっくる *****

知床五湖・フレペの滝・原生林のトレッキング、自然観察、

冬はスノーシューでの自然体験ツアーをしています!

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つよし