気まぐれにコエゾゼミが鳴くくらいで、いたって静かな森です。
さっぱりとした空気も空の色も、夏は夏でも過ぎていく季節のよう。
肌寒いだろうと少し厚着をしていると汗ばむくらいの陽気ですが、
立ちどまり見上げる木々の茂る原生林、ちょうど心地の良い空間です。
立ち枯れしたトドマツに動く影、ノコギリカミキリを見つけました。
あまり元気がないようにも感じましたが、やはり絵になる昆虫ですね。
最近は頻繁にカミキリムシに出会えて嬉しいですが、近づく秋が寂しいです。
僕は遭遇することがなかったですが、同じ森に来ていた別のガイドさんは
姿こそ見なかったものの茂みにいる所を通りかかかったようだったそうで、
ヒグマの唸るような声を聞いたとか...その熊にも何らかの事情があったようで、
それが何だったのか考えていましたが、散策路にある水溜り付近に足跡が、
そこには子熊と考えられる小さな足跡と、母熊らしい足跡の2つがありました。
おそらくは親子熊の隠れていた茂みの近くに人間が来たから唸ったのでしょう。
必ずしもヒグマとの遭遇がすぐに重大な危険に繋がるとは言えないですが、
状況にもよるのだと、今日は知床の自然ガイドとして改めて考える場面でした。
こうした状況は僕であっても考えられるので、慎重に散策したいと思います。
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