その、視線の先・・・。

天気予報では曇りであったはずの...今日の知床(ウトロ側)ですが、

良い方向に予報がはずれて、燦々と、素晴らしく晴れ渡ってくれました。

午前中から知床連山を見ることができましたし、陽気の温かさも嬉しく、

散策をした断崖部の森は涼しい風も吹きぬけ、本当に心地が良かったです。

静けさにエゾハルゼミの鳴き声と、アオバトの声が微かに響いてくると、

初夏らしい色彩の中で対照的に、どこか物悲しくも感じられるのですが、

薄暗い林内を越えて、輝く草原の先にひろがる海の青さに、今を想います。

そして、また別の断崖での出来事。構図としては面白いのですが。。。

写真右上から見下ろすエゾシカの視線の先(黄色)に、急斜面でヒグマ(赤)。


僕らが目的地の断崖部に到着すると、草原の中には4頭のエゾシカの姿が。

ただ、どうにも様子に違和感(緊迫感)が、4頭とも同じ方向を凝視して、

普段なら僕ら人間のことも多少は気にして、こちらに視線を向けるはず、

それが全く見向きもせず、下をジッと見ているのです...これは、きっと。


茂みの隙間から僕らにも見えたのは、やはりヒグマの姿でした。

ヒグマは一心不乱に地面を掘って、アリでも食べていたのでしょう。

この時期はヒグマがエゾシカ(成獣)を捕ることはまずないのですが、

エゾシカとしては近くにヒグマがいれば警戒をして逃げようとするので、

その動向を見ながら、森へと移動をしようとしていたのでしょうね。


それにしても、、ヒグマは僕ら(人間)の存在も知っていたはずなので、

(一度こちらに視線を向けたので)その反応の薄さに実は困惑します。

こうした個体が近年は増えてきた印象なので、散策時には注意を。




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つよし